■
今年も明日で終わりだ。今年も明日で終わりだ。←二度書いても実感できません。
日記は書かなかったが10月からこっち色々ありすぎて、あぶなく正月も意識せずに迎えるところだったよ。とりあえずベスト洋画編だけでも書いておこう(邦画は見逃しが多すぎてどうしようか思案中)。
2008年ベスト・洋画
1 エグザイル/絆(ジョニー・トー)
-
- 選んどいてなんだが、本年度最高の映画じゃないと思う(まぁそもそも2年前の作品だしな)。が、こういう映画を1位にしなくて何が楽しみで劇場通いを続けているのかという話ですよ。大晦日にもう一度観て今年の締めとします。
-
- これまでクローネンバーグ独特の野暮ったさ(だがそこがいい)と感じていたものが前作で大逆転、今作にいたってはロシアっぽい重さと奇跡の融合を果たして映画史上に刻まれるカッコ良さ。どうしちゃったのか知らないがいまなら「M.バタフライ」を撮っても傑作になるんじゃないですか。
-
- おととい観たんだけど、期待以上に良かった。余計なことは一切やっていないがミニマルじゃなく、むしろダラッとした映画に見えるところがいい。雨中のカーチェイスやラストの捕り物など視界の効かないシーンの演出がすばらしい。
4 It Is Fine ! Everything Is Fine.(クリスピン・ヘロン・グローヴァー デイヴィッド・ブラザーズ)
-
- スティーブン・C・スチュワート、それは私だ。
5 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(ティム・バートン)
6 ダイアリー・オブ・ザ・デッド(ジョージ・A・ロメロ)
-
- 池袋で観たらとなりにいた「友達同士で映画館に来るのはじめて(でもその友達には内緒)」な男子中学生二人組が「やべえ今日帰ったら寝れねー」と心底震え上がっていたのが印象的でした。いやオリジナル3部作と肩を並べる傑作(というか個人的には「ゾンビ」より好き)だと思った。これも今年多かったPOV映画だが、これと19位のデ・パルマのベテラン組の作品には「その視線を担うカメラマンとは何者なのか?」という問いが作品の根幹にあってその分古臭くも見えるけれど、やっぱりそこで「クローバーフィールド」は残らない映画になっちゃったと思うのよ。
7 ハプニング(M・ナイト・シャマラン)
-
- 「いかさま師呼ばわり派」はもちろんのこと「いややっぱ天才ですよ派」からもあまり良い評価を受けていない不憫な映画だが俺はこれ好きですよ? 「ヴィレッジ」とこれしか好きではないというのはたしかに珍しいかもだが、田舎好きなもんで(そんな理由か)。「サイン」はメル・ギブソンが邪魔なんだよな。その点この映画のウォールバーグは良かった。
9 ミラクル7号(チャウ・シンチー)
10 三重スパイ(エリック・ロメール)
-
- 正直言って話はあんまり良くわからなかったんだけど、この映画の影に存在する一本のサスペンス映画を想像して楽しんだ。
11 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(ポール・トーマス・アンダーソン)
-
- あえてもう一度言おう、世の中の社長なんて人種はみんなこうであると。
12 What Is It ?(クリスピン・ヘロン・グローヴァー)
-
- ラストで王座から転がり落ちるスティーブン・C・スチュワートをみて大笑いしてしまった私ですが・・・(4位の感想へ)。
13 無ケーカクの命中男/ノックトアップ(ジャド・アパトー)
-
- 「人にはそれぞれ事情がある」とこを絶対はずさない(ディスコの黒服との言い争いがこんなヘヴィな会話になるとは)ジャド・アパトーは人物描写において現在もっともフェアな作家ということが言えるかもしれない。その作品が必ずお下劣コメディの形をとってしまうところも含め。
14 ミスト(フランク・ダラボン)
-
- 見た日の日記に書いたことは別に冗談じゃなくて「これは黙示録だ、もうこの世の終わりだ」と思っても、お前一人がドブのなかに顔を突っ込んでいるだけでまわりの連中はお前を見て笑っているかもしれないんだぜ、さあ顔を上げろ!という強い怒りのメッセージを受け取りました。
15 ノーカントリー(ジョエル・コーエン イーサン・コーエン)
16 カンフー・パンダ(マーク・オズボーン ジョン・スティーブンソン)
17 アイアンマン(ジョン・ファヴロー)
18 バンク・ジョブ(ロジャー・ドナルドソン)
-
- 「ウソみたいな真実」をもとにした映画だが、「そのころ(70年代初期)に流行ってた映画」に似てきてしまってるのが可笑しい。ロジャー・ドナルドソンはなにげに好調だなあ。
19 リダクテッド 真実の価値(ブライアン・デ・パルマ)
-
- 上にも書いたけどカメラマンの性格付けとその末路にデ・パルマ本気の怒りをみた。
20 寝取られ男のラブ・バカンス(ニコラス・ストーラー)
-
- ということで今現在新宿ミラノ(&シネスク)は、一本を除いて今年最高の正月映画をかけている劇場ということになりますな。お近くの方は是非足をお運びください。
今年はこんな感じですか。世評は高いけど駄目だったのが「ラスト、コーション」「ダージリン急行」「WALL・E ウォーリー」「つぐない」ってとこ。ウォーリーについてはなんか書くかも。
あと、劇場で観た映画にかぎってるので入れなかったが、「スーパーバッド/童貞ウォーズ」は素晴らしかった。あのラストは軽くホロリとさせる泣かせなんかではなく「人が本当の意味で可能性を失うとき、誰もその本質に気づくことは出来ない」という真実を残酷に描き切っているのですよ。そしてそれはくだらないエロ青少年コメディの形でしか描けないものなのだ。