かもめ食堂 (2006 荻上 直子)

 地球に優しくて北欧の家具とかが大好きで将来は自然食のお店を出したいOLが、こんな映画あるといいわねーそうねーで作っちゃった作品ならば観た俺が悪いと言えるんだがな。「バーバー吉野」も現実味のなさをファンタジーで逃げたがってる話だったけど、比べてリアリティありげに見えるこっちの方がよりカマトト度が進んでいるというか。
 というかかなり初期投資の必要そうな小奇麗な店を異国の街中に構えておいて、一週間(一ヶ月つってたか?)一人も客が来ないのに、呼び込みやビラ貼りなど客寄せの努力をするでもなく「駄目だったら、やめちゃいます。でも大丈夫」ってお前そりゃ一体なななな何の根拠があって言ってんだー!!!トム・ヤム・クン(すげえ怒ってる)!*1
 それからこれをいいと思った人は「ロスト・イン・トランスレーション」とかに文句付けらんないと思います。おれがフィンランド人だったら怒るまではいかなくても「へーぇ」とか言ってパスする。田舎幻想。これに比べるとソフィア・コッポラってしたたかだよな。
 ただ、小林聡美のたたずまいがきれいなのと、最近生かされてなかったもたいまさこの無表情のおもしろさを異国の地で蘇らせたのは評価できる。片桐はいりは損な役だった。

*1:・・・ま、全部小林聡美が見た夢なんで都合がいいのも当たり前なんだけどね。おめでとうパチパチパチ。