さよならジュピター(1984 橋本 幸治)

シャンテで「リトル・チルドレン」見た後フィルムセンターで「アナタハン」、という予定だったが時間の読み間違いで「リトル〜」に遅刻。まあ待っていればギンレイでやるか、とあきらめて早めにフィルセンへ行き、この映画を。実はスクリーンでは初見。
SF界の御大が自らの原作を総監督、伝統ある東宝特撮に新しい感性の若者が大量参加して新時代を築く、という公開前の期待ポイントがことごとく裏目に出て、当時の雑誌なんかでも、かえって自虐的な観もの扱いにされてたなあ。三浦友和の「半径5メートル以遠の事は意に介さない」声がよりによって「木星太陽化計画」などという遠大なものについて解説しているのを聞いていると、1984年という年の不思議さを思ってしまうのだった(一年後この声は「台風クラブ」で再発見される)。
エコでヒッピーでニューミュージックな「ジュピター教団」を徹底的な悪者として描き、ついでに世界連邦の崩壊を画策する裏悪役にアメリカをもってきて、最後は泣かせでリメイクすれば客が入るかもしれないとふと思ったが、よく考えるとそれも10年前なら、の話ですな。連邦大統領は今でもセイムキャストでいけるところがすごい(ギリギリ)。