愛の陽炎 (1986 三村 晴彦)

「幻の湖」での大開放後、すっかりフリーマン(いろんな意味で)となった橋本忍先生がその3年後に書いた作品。製材所の事務員の伊藤麻衣子がトラックの運ちゃん萩原流行に騙されて逆上し、丑の刻参りをする(二行であらすじをまとめられるのが傑作の条件と聞きました)。
特殊メイクで鬼のような顔になった伊藤麻衣子のスチルが印象に残ってたんで、出来が悪いながらもドロドロと過剰な映画が観れるのかと思ったら、題材の選択がめずらしい(というかありえない)だけの前半昼メロ+後半は・・・月曜ドラマランド(えー)? いやとにかく軽いんだよ。
わが孫が男に騙されたと知るや、奥の行李から道具一式を持ち出してきて呪い釘を勧め、「効き目がない!」としかられては家の裏にしゃがみこんでしくしく泣く北林谷栄だけが見どころで、あとは脇役に知った顔を見つけるくらいしかやることがないです。戸川京子とか出てて複雑な気分になった。萩原流行が裏で付き合ってる女が風祭ゆきで、濡れ場ありだったのでのど飴くらいならあげてもいい。