28週後...(2007 ファン・カルロス・フレナディージョ)

レイジ・ウィルスにより人類絶滅かとおもわれた前作の状況は「感染者全員餓死」で一旦収まったらしく、米軍主導で復興が始まっているロンドンからスタート。イギリスローカルの事件だったのか、あれ。
前作から続投の登場人物はおらず、感染者に襲われた妻を見殺しにしてしまったロバート・カーライルと、スペインから帰国した彼の子供達が中心の話。「ALWAYS」とか「マリと子犬の物語」とか観て思わず涙してしまった自分をどうしても許せず、ついつい酒量を過ごしてしまいがちなお父さんにお勧め。ざっくりいうともたもたしないコレみたいなもんです。この救われない一家がもたらすオチも豪快に暗黒で、夕日に映えるコレのシルエットがいい感じ (急に文字が消せなくなったのでリンクで失礼します)。
でも(ゾンビ映画としての)見せ場になると微妙にフラストレーションが溜まる。特に百数十人の避難者が押し込められた狭い隔離部屋に感染者が侵入して大パニックになるくだりで、フラッシュ効果まで使ってごまかしに逃げたのはまったくいただけない(その後の無差別狙撃シーンが眼目ってことだろうけどさ)。ここは煌々たる灯りのもと、マスゲームの色が変わるように部屋の奥のほうから次々と感染していき、跳ね上がる血しぶきがどんどん近づいてくる様子を見せるべきでしょ。レイジ・ウィルスの発症速度がこんなに生きる設定もないと思うが。「デモンズ」とは違うのだよ、ということだろうか。間違った姿勢ですね。
暗視カメラを通すと誰の目も光って見えて感染者の見分けがつかないとか、面白くなりそうな設定のほったらかしも随所に見られますた。
多分ビデオ撮りだけど画質は前作とは雲泥の差。101分の上映時間は男前でよろしい。