東京少年 (2008 平野 俊一)

来週から夏帆主演・小中和哉監督「東京少女」が始まるので、ペア扱いのこの映画も。
堀北真希演ずるヒロインが多重人格で、あとから出てきた男の人格が本来の女の人格に惚れていて他の男(石田卓也)との恋愛の邪魔をする。面白そうだけど3年遅かったかなあ、という企画。以下ネタバレ含む。

ドタバタコメディないしはサイコサスペンス向きのネタだけど、真面目な話として作ってある。荒唐無稽に思わせないためか、同じ出来事を視点人物を替えて描くことによってだんだんコトの真相が分かってくるという、いわゆる羅生門*1リワインドスタイルの語りになっており、視点順に堀北(女人格・みなと)→石田→堀北(男人格・ナイト)→結び、という構成。でもチラシやポスターを見りゃどんな話か見当つくし、そうでなくてもバレバレなので、(みなと)視点の冒頭30分はカマトト的にかゆい進行になっていてかなり退屈です。あんなコンビニ店員やだ。
また、(みなと)には多重人格の自覚はなく、(ナイト)は悩みを打ち明けることが出来る「文通相手」としてある。つまり(ナイト)にはれっきとした住所があるのだ。10歳の頃から文通していて、(みなと)はたびたび会いたがっているという設定からすると、これはかなり問題だと思うが、そこら辺もわりとスルーされてます。
登場人物を堀北×2+石田にほぼ絞り込んだことにより、適度にファンタジー方向に逃げるのには成功しているかもだが、全体に省略が効いていなくてたるい演出をがまんしてみていると、男・堀北の登場は本編開始40分後(長い…)。
採点:まなざし80点・身のこなし及びセリフ40点・あごの下の肉−30点。だから3年遅いっつーの。

あと、タイトルのわりに全然東京じゃねえ*2(八王子ってことになっているがロケは山梨。武蔵野に見えなくはないけどなあ)ってとこには一応つっこんでおきます。
あとパンテラあり!黒!

*1:主観による語りではないので間違いでした

*2:そして笹野みちるとも何の関係もない