運命じゃない人 (2004 内田 けんじ) …の映写トラブル

博多っ子純情」を観ようと思って渋谷に出たがとうの昔に定員になっていて、封切り時以来のこの映画に変更。
山下規介の組長が登場するあたりで映写機の回転がおかしくなり、映写が止まる。年に百本もみてればただの映写機停止やフィルム切れにはたびたび遭遇するが、フィルムが焼き切れる様子をスクリーン上でじっくり観察したのは「グレムリン2」以来です(ありゃフェイクだ)。三十分以上たつけどいまだ復旧せず、俺はまだいいけどそろそろみんな終電ヤバそうだな。ではあとでまた。
 
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いま「(映写機の)メーカーと連絡をとっております」という事実上の終了報告がありましたが、まだ中止にはしないようなので残ってみる。
 
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復旧、とおもったら音がでていない。よくある展開だが映写に詳しいスタッフが多分残っていなさそうで、そろそろギブかしらん。
ちなみに80人くらいいた客は20人くらいになってます。
 
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音の出なかった個所まで遡ってやっと上映再開。
 
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レイトショー終了。とうに終電のない時間になっても客がいるかぎり映画をかけようとするのか確かめたくなって残ったけど、いちおうギリギリ山手線の終電には間に合った(つうか残った客は車かこれからオールだと思う)。アクシデントの最中の対応は正直良いとはいえず、なんとなくファンの集い的な客層だったので穏やかに済んだというのはあるけども、終映後に腰が折れる勢いで頭を下げるスタッフから招待券が配られた。「アフタースクール」観るのに使いますわ。
 
映画の話。スポンタニティつうんですか、(板谷由夏をのぞいた)役者の押しが弱いぶん、複雑に組み上げられた脚本により二重三重の意味を裏付けされた振り付け(カメラワーク含めてそう呼ぶのがふさわしい感じ)が画面を埋めていく様子がよく確認できる。この手取り足取り感が、役者のグレードが全体的に上がった「アフタースクール」でどう変わっているか、あとデビュー作「Weekend Blues」に顕著で、「運命じゃない人」にも色濃く残っている「女嫌い(男好き)」の要素*1についても確認したい。しかしあらためて観ると霧島れいかの役はかなり微妙、けっこうギリギリで成立してる感じだった。たとえばこの役が田畑智子になるのがバジェットがあがるということで、その分映画全体も大きくなってればいいなと思うんだけど。
 
でも今夜一番記憶に残ったのは、ジュワーと焼け溶けるフィルムの様子が大画面に投影される瞬間の妙な胸騒ぎだな。

*1:傾向的女子には確実に受けそうである。こんだ大泉洋×堺雅人だし