TOKYO! (2008 ミシェル・ゴンドリー レオス・カラックス ポン・ジュノ)

この面子ってよくわからないけどいけすかない感じが素敵、というわけで日曜最終回1000円で。
「インテリアデザイン」
最後にいつものゴンドリーっぽい妄想映画になるまでは普通につまんないんだけど、そのダメな感じがあまりにもある種の日本映画っぽくて驚いた。PFF応募歴あり奨励賞受賞というか、好きな監督は手塚眞林海象ですというかなんだこの映画愛。黙ってみせられたらガイジンが撮ったとはだれも思わないドメスチック度(さすがに平均的ダメ日本映画と比べてテンポは良い。あとでんでんはいつもどおりで良い)。
「メルド」
マンホールから這い出してきた片目でびっこの怪人メルド(糞の意。ドゥニ・ラヴァン)が銀座通りをのし歩いてベビーカーに吸殻放り込んだり自分の写メ撮った女子高生のわきの下を舐めたりする爽快な映画です。が低予算なのでメルドが渋谷で旧帝国陸軍の手榴弾をぽいぽいぶん投げて通行人を片っ端から爆殺するシーンが正面切ってやれず間接描写に頼らざるを得なかったのは惜しまれる。がんばってんだけどな。
今の東京なんかにはまったく思い入れがなく、基本的に何だって嫌いだからせいぜい暴れてやる(ついでに嫌な過去とか適当に穿りかえして嫌がらせしてみる)というスタンスが清清しい。とっつかまって連れ出された法廷で「日本人は醜いから嫌いだ」と言ったメルドが検事の石橋蓮司に、はーんお前レイシストかじゃあどこが醜いと思うのか言ってみろ、と問われての答えも素晴らしく適当で感激しました。最後はあえなく吊るされるメルドだが、もちろんこのままでは終わらないのである。最後のやつは冗談だとは思うが続編をマジ希望。
「シェイキング東京」
グエムル」の怪物のモデルは竹中直人、と最初に聞いたときはどのくらい本気で言っているのか量りかねたが、香川照之と顔見合わせてグエムルの親子みたいになってるショットをみて納得しました。ふたりして汗をたらしながら顔筋ピクピクさせてる様子はまさにはんぎょどん(韓国の地名)であり魚民であるといえる。
香川の引きこもり男がピザ配達に来た蒼井優にくらくらっときてしまって10年ぶりに外へ出るが…という話にはとくに面白いところはなくひたすら演出アイデアの連鎖を見てゆくポンにしてはやや上すべり気味の映画。ついに表に出た香川が蒼井の家までどうやって行くか、あーでもないこーでもないとぶつぶつひとりごつうちに、ふと10年手入れをしてこなかった自分ちの外観をみて顔筋ピクピクさせるというなかなかすごいポンシーンなんかはありますが、やっぱ最大のみどころは蒼井優にボタンをつけてみた」というワンアイデアでしょうか。ポンお前もか。おまえの彼女もサイボーグか。そりゃあれに比べりゃ10000倍スマートな映画だけど最後のオチのベタさかげんはクァクと大差ないと思うぞ。