ノーカントリーについてもうちょっと。

けったいな映画なので賛否は分かれて当たり前だけど、いったい人チワワ  TLJの述懐から読み取れるようなこと*1をこの映画はほんとうに描いているのか、そこらへんどうなの?

  1. いや、とてもそうは思えない
    1. 言葉だけで実際には描けていないのでダメ、つまらない
    2. 言葉だけで別に描いていないがそういうことと面白さは関係ない
    3. 言葉だけで別に描いていないところが面白い
  2. もちろん描けているでしょう
    1. 描いている、または描こうとしているからダメ、つまらない
    2. 描いている、または描こうとしているがそういうことと面白さは関係ない
    3. 描いている、または描こうとしているから面白い

俺は限りなく1−3の立場。もすこし詳しく言えばコーエン兄弟のいつもの冗談だがここ最近では最も冴えていた、ただしTLJとジョシュ・ブローリンについてはほとんど本気の印しか見えず、本作を冗談たらしめているのはもちろんあっちゃこっちゃで最優秀助演賞に輝くハビエル・バルデムの一点突破的怪演である。ここらへん登場人物全般に緩いユーモアの衣がかかっていた「ファーゴ」と趣を異にするところだが、もちろん生真面目な冗談はキワキワであればあるほど笑いは爆発するのであり、本作は「ファーゴ」に数等勝る冗談映画だと断言したい。この観点から言えば最後の二つのシークエンスはあれでよいのだが、ラストのシークエンスが上記2−3あたりにも見えるように成立してしまっているのが惜しいと感じた(これはキャスティングの問題だというのが上のエントリの趣旨)。んー?何言ってんの?あ終わった。という中折れ感をもっと強調できていればと思うのだ。オスカーは取れなくなるけどな。