無敵浩克 (2008 路易斯褚托瑞)


主役がエリック・バナからエドワード・ノートンに交代した「ハルク」、アン・リーの作品とは無関係らしい。つうことはなんか悪の組織の悪だくみみたいなところから始まるのかな、とか思っていたらタイトルバックは「一作目のモンタージュ」だったよ。ただし「人間の身体能力を上げる薬の人体実験を自ら買ってでた科学者(エドワード・ノートン)が緑の怪物に変身し、その場にいた同僚の科学者で恋人(リヴ・タイラー)に重傷を負わせ、その父親かつ計画の首謀者である将軍(ウィリアム・ハート)に追われ南米に逃亡する」というこの世に存在しない一作目のだったけど。
主人公は南米のジュース工場で働きながら、怒り(=心拍数)を抑える修行をヒクソン・グレイシー(←マジ)のもとで積んでいたが、彼の血液が混入したジュースをスタン・リーが飲んだことから居場所を探知され、ロシア出身の暗殺者(ティム・ロス)に率いられた暗殺小隊がアメリカから送り込まれる。怒りを抑えきれず変身にいたり、からくも逃げ延びた主人公は自らの体内から「ハルク細胞」を死滅させるためふたたびアメリカへ向かう。
監督が「トランスポーター」のレイ・ルテリエに変わったこともあって全体に軽ーい仕上がりになっております。暗殺小隊の手から逃れるため「ボーン・アルティメイタム」のタンジールみたいな屋根づたいチェイスを繰り広げるのだが、音楽までそのまんまなのは止しなさいと「ヒットマン」のときにあれほど注意したじゃないかまったくもう。その後も「スパイダーマン」とかもろもろの映画(ごめんもうあんまり覚えてないわ)のパッチワークでお座敷をもたせつつ、最後はティム・ロスが化けたもう一体の巨人と肉弾戦。英語の理解度30パーセント程度でもまったく無問題だったのでよかったです。劣化極まった感のあるリヴ・タイラーティム・ロスの背丈(ウィリアム・ハートと並ぶと子供)は残念だったけど。
そういえば今回画期的なことがひとつありました。主人公がハルク化しても決して破れないズボンの謎について、作中で明快な回答が与えられております。 
即ち「ズボンを買うときには伸びる素材を選ぶ」!お前は俺のお母さんか!