映画

ダークナイト (2008 クリストファー・ノーラン)

ラストまでネタバレしちょるけん気ぃつけんと。

崖の上のポニョ (2008 宮崎 駿)

宮崎駿4年ぶりの新作は、今までのリアリズムから離れた童話的な世界をCGを排して全編手書きで表現した意欲作。さいしょにいっておくけどおこさまむけですよ。 序盤の15分は描写の細部に感心し、語りの配分に「ああ映画だねえ」という感じを味わいつつ「この…

谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座 (1969 江崎 実生)

自分ちで一人でDVDで観たときは「谷岡ヤスジって本当にすげえ」という感想だけだったのだが(本人登場シーンがすごいって意味じゃないよ。本人はふつうのおじさんだ)、劇場で見るとこれを別メディアへ移植する際の苦労がかなりわかりました。まあでも最終的…

エクスクロス 魔境伝説 (2007 深作 健太)

公開時に見逃したのだが観れて良かったです。健太これだよこれ。意味のない話を勢いで見せきる時に光るタイプだったんだな。最後の大乱闘の捌きがいまいちだったのは惜しいが、そのほかの小沢真珠が出てるシーンはどれもよい。彼女にどこかのファンタで賞を…

片腕マシンガール (2007 井口 昇)

弟を追い詰めて殺した同級生の家族(こいつらも狂っている)を殺した後、「鬼になってやった!」と夜の道を駆け抜ける八代みなせ嬢*1のようないくつかの永井豪的場面にはぐっと来るものがあるけど、ストレートな復讐劇のエモーションは弱い。でも全編におも…

異常性愛記録 ハレンチ (1969 石井 輝男)

「シネマ紀行 京都ものがたり」という特集でこの映画をかけるラピュタ阿佐ヶ谷は偉いと思う。 高級クラブのホステス(「ママ」って呼ばれてたが)橘ますみが古い商家の旦那・若杉英二に執拗に付きまとわれる。いまは新しい男・吉田輝男を見つけて彼と旅行中…

クライマーズ・ハイ (2008 原田 眞人)

「信じるものに命を賭ける」男たちが「真っ正面からぶつかりあう」「社会派」アメリカ映画、を作ってるつもりで妬み僻み嫉みの日本社会を描くシリーズの最新作。もはや悪びれすらしない全編に漂う大づかみなオヤジ感はいつもどおりながら、原田眞人好みの体…

マッハGoGoGo (2008 ワチャウスキー兄弟)

ギザホイール。 壊れたモニターでカラコレした映画として歴史に残ること確実*1の本作、この狂った色彩をダイレクトに感じなければあまり観る意味がないと思うので、どうせならDLP上映の劇場で観ることをおすすめするチカチカ。予告編で観るとおりカメラワ…

戦争のない20日間 (1976 アレクセイ・ゲルマン)

下高井戸シネマひっさしぶりだなあ。調べたら2000年の夏の「がんばっていきまっしょい」再上映以来だから今世紀初・下高井戸。「京王線の駅の階段をおりて世田谷線の線路向こう」という間違った知識(正しくは⇒*1)が訂正されていなかったので、前世紀と同様…

2008上半期ベスト

2008年も半分が終わった。早いねえ・・・といっても 実時間半年=実感2ヶ月 という感覚に慣れちゃって正直驚きもしないや。だから観ている映画の数が減っていてもなんら不思議ではないのであり、ということでこの半年に観た封切洋画59本から10本。Foreign fi…

ミラクル7号 (2008 チャウ・シンチー)

今回シンチーは主役を小学生の息子*1に譲っていて、彼をめぐってのいじめっ子&巨漢男子&巨漢女子対決などはてらいのないコロコロボンボンテイストが炸裂。桜多吾作にまんが化していただきたい。予告編で見て「はあなるほど」とか思っていたギャグも本編に…

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(2008 スティーブン・スピルバーグ)

冒頭タイトルバックから「ハウンド・ドッグ」が鳴りひびく、インディミーツフィフティーズ。結論から言うと食い合わせ悪いね! この際だから核実験の影響で兵隊アリが数十メートルに巨大化して大暴れ、墓の中でサヤに入ったコンキスタドールが目覚めて生気の…

無敵浩克 (2008 路易斯褚托瑞)

破・天・慌 (2008 奈莎馬蘭)

アフタースクール (2008 内田 けんじ)

先週「運命じゃない人」の時にもらった招待券で観てきた。お金払っていないので言いづらいけれども、かなり期待していたのを差し引いても残念な出来。仕事の丁寧さは相変わらずで、その点は巷に出回る映画モドキにくらべれば雲泥の差なんだけど、明らかに間…

パラノイドパーク (2007 ガス・ヴァン・サント)

しでかしてしまった少年が自分の部屋に戻ってきてシャワーを浴び服を着替えてベッドに倒れこむ瞬間とか、キャラクターの感覚をそのまま捕まえたかのようなグッとくるところもあるんだけど、こんな少年のモラトリアムな時間をフェチっぽく描くのは「エレファ…

ランボー 最後の戦場 (2007 シルベスター・スタローン)

ランボーゴーズトゥハンバーガーヒルということで一部の評判(と大部分の顰蹙)をとってる映画。ミャンマーの悪い軍人のみならず無辜の民衆までが盛大に肉片化していく映像のオグリッシュ度には、なんとかナワサワットとかなんとかパユハセナとかいう名前が…

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS (2008 樋口 真嗣)

男色関所奉行の高嶋政宏の登場は、この映画が面白くなる唯一の契機だと思って期待したんだがなあ。残念ながらダースベイダー(南部虎弾)*1 に速攻で処分されてしまうのだった。 やたら多い流血シーンと山名砦のクライマックスをざっくり切って80分くらい…

運命じゃない人 (2004 内田 けんじ) …の映写トラブル

「博多っ子純情」を観ようと思って渋谷に出たがとうの昔に定員になっていて、封切り時以来のこの映画に変更。 山下規介の組長が登場するあたりで映写機の回転がおかしくなり、映写が止まる。年に百本もみてればただの映写機停止やフィルム切れにはたびたび遭…

ミスト (2007 フランク・ダラボン)

携帯からだから手短になるが、「人間最後の最後まで希望をなくしてはいけない」という映画だったよ!感動した!みんな明日のデートでは必ずこれを観るように!約束だぞ!*1 *1:なんとなく井口昇調なのはご本人が観にきてたからだ!

アイム・ノット・ゼア (2008 トッド・ヘインズ)

ビートたけしといえば昭和の芸能史/平成の映画史*1にその名を刻む立派な人だと思うんだが、やっぱ世界的偉人に比べればまだまだ、ほうっといても他人が「TAKESHI'S」みたいな映画を作ってくれる域には至っていない。 ディランはいままで一枚のアルバムも買…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (2007 ポール・トーマス・アンダーソン)

または「PTAの社長えんま帳」。実感をこめていいますが、いるいるこんな社長。 以下はめざせ!中谷彰宏ということで書いた一文ですが、新書一冊分にふくらかすのはムリムリだったのでここにアップします。むろんネタバレしてますよ! 創業者である 実務に…

パーク アンド ラブホテル (2007 熊坂 出)

無愛想なおばちゃん(りりィ)が女手ひとつで切り盛りするラブホテル。屋上はなぜかブランコやシーソーまである小さな公園で、近所のひまをもてあました爺さん婆さんや学校さぼった小学生たちのたまり場になっていた。そこにひきよせられるように集まってく…

スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド (2006 ソフィー・ファインズ)

イメージフォーラムフェスティバル2008にて。ちなみに原題はThe pervert's guide to cinemaで「ジジェク教授の変態のための映画入門」とかしたほうが気分。1947年の「失われた心」から始まって「街の灯」のラストシーンで幕をおろすまで150分、あちこちから…

フィクサー (2007 トニー・ギルロイ)

ジョージ・クルーニーのボス役で出演しているシドニー・ポラックが、1975年にロバート・レッドフォード主演で撮った社会派サスペンス映画のリメイク。 とかいわれても信じてしまいそうな古風なアウトラインのお話をきょうびの意匠でまとめた「ボーン」シリー…

つぐない (2007 ジョー・ライト)

「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガーとならんでライト兄弟と呼びたくなるが呼ばない、でおなじみのイギリスの俊英ジョー・ライトの新作。ネタバレ?そりゃあしてるさ。 1935年。13さいにして芝居なんか書いたりするこまっしゃくれた良家の娘・ブライ…

ニュープリント「痴漢電車 いやらしい行為」についてはまたのちほど。

女の自由はSM行為(楽しげ)、男の自由は小説書き(浮かばれない)という教訓が胸にのこる一夜だった。

奴隷 (2007 佐藤吏)

さっき「不倫中毒〜」をアイドル映画と書いたけど、これもすごいね。むかし月刊誌に「山口百恵ものがたり」「豊川誕ものがたり」なんてマンガがのってて、想定読者である小学生女子にはヘヴィすぎる実話(といっても男女関係とかじゃなくて生い立ちや家庭の…

うずく人妻たち 連続不倫 (2007 福原彰)

それまでの二作から一転して「オールドスクール」という言葉が頭にうかぶ不倫もの。「気楽だから」と人妻としか寝ない小説家志望の男(岡田智宏)とともに夫と小さい娘がありながら「友人と旅行」といつわって伊豆のペンションへやってきた女(佐々木麻由子…

不倫中毒 官能のまどろみ (2007 吉行由美)

ねっとりした大人の不倫劇というふれこみだったが、やっぱり薫桜子(文芸誌編集者。でかメガネ)が原田知世(In '80s)に見える瞬間がたびたびあるアイドル映画だった。ここでもなかみつせいじが、蕎麦なんかうちつつぺダンチックな物言いでうぶなヒロインをこ…